アパートの天井にひび割れが発生!原因と放置した場合のリスクとは?

天井のひび割れは、見た目以上にアパート全体の安全性や資産価値に影響します。軽度のうちに修繕すれば費用を抑えられますが、放置すると入居者トラブルに発展する可能性があります。

また、ひび割れの原因が特定できない場合は、建物の構造や地盤を含めて専門業者へ早めに相談することが大切です。天井にひびが入る主な原因と、危険度が高いひびの見極め方をわかりやすく解説します。

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アパートの天井にひびが入る原因

アパートの天井にひび割れを発見すると、「このまま放置しても大丈夫だろうか」と不安になるオーナーは多いでしょう。ひび割れの原因を正確に把握することは、修繕の責任と費用負担、そして適切な対処法を見極める上で重要です。

アパートの天井にひびが入る主な原因は以下の4つです。

  1. アパートの老朽化
  2. 急激な温度変化
  3. リフォーム業者による施工ミス
  4. 建物の基礎の沈下

1つずつ詳しく見ていきましょう。

アパートの老朽化

天井にひびが入る原因として多く挙げられるのが「建物の老朽化」です。天井の梁やクロス(壁紙)などの部材は、築年数を重ねるごとに劣化し、ひび割れが生じやすくなります。

建物の経年劣化による天井のひび割れの特徴は以下のとおりです。

  • 天井のクロスの色あせや質感の変化が目立つ
  • 継ぎ目以外の箇所にひび割れが発生している
  • 築10年以上で亀裂が徐々に拡大している
  • 屋根裏や天井裏の劣化が進行している


日当たりが良い部屋の場合、天井のクロス(壁紙)は色あせや劣化が進みやすいといわれています。さらに、屋根裏や天井裏など目に見えない部分でも、下地材が傷んでひび割れを起こすことがあります。

築5年〜10年を過ぎたアパートで、壁や天井の継ぎ目部分以外にひび割れが発生した場合は特に注意しましょう。

構造材の疲弊や建物のひずみが原因となっている可能性が高く、単なるクロス交換では解決できません。構造の補強が必要になる場合もあるため、早めにインスペクション(住宅診断)を行って建物全体を見てもらうとよいでしょう。

急激な温度変化

「急激な温度変化」もアパートの天井がひび割れる原因の一つです。春先など室温が急上昇すると、乾燥して縮んでいたクロスが一気に伸びてひび割れが発生しやすくなります。

このような湿度変化による亀裂を「ヘアクラック」といいます。

クロスや木造の建材は温度や湿度の変化に弱く、冬は乾燥して収縮し夏は高湿度で膨張するといわれています。

木造アパートの場合、建築後3年を目安に木材が乾燥して収縮しやすくなり、建物の揺れやひずみが発生することで表面のクロスに微細なひび割れが生じやすいのです。これは建材の自然な現象であり、構造上の深刻な問題ではありません。

ただし、温度変化によるひび割れを放置していると徐々に拡大する可能性があるため、定期的に確認することが大切です。

リフォーム業者による施工ミス

新築やリフォーム後すぐに天井や壁に大きな亀裂が入ったときは、施工不良が原因の可能性があります。

ひび割れの多くは、建材の下地材(石膏ボードなど)の継ぎ目に沿って直線的に発生します。下地材の施工が不適切な場合、台風や地震などの自然災害で建物が揺れた際、その箇所に力が集中してしまいひび割れを誘発してしまうのです。

天井のひび割れを引き起こす施工ミスは次のとおりです。

  • 下地材を固定するネジやビスが不足
  • 下地材の間に隙間がある
  • パテ処理が不十分で接着力が弱い
  • 下地が十分に乾燥していなかった


施工不良を起因とするクラックは再発しやすく、クロスの張り替えだけでは完全に解決できません。下地から根本的に修理する必要があるため、対応した施工業者への相談も検討すべきでしょう。

建物の基礎の沈下

アパートの天井のひび割れを引き起こす4つ目の原因は「基礎の沈下」です。地盤が不均一に沈下したり、地震で建物が歪んだりすると、天井や壁に圧力がかかってしまいます。

それが天井に大きなひび割れが発生する要因となるのです。このひび割れは、縦方向や斜め方向に一直線に走る亀裂として現れることが多いです。

基礎沈下による天井のひび割れには以下の特徴があります。

  • 幅0.3mm以上の大きな亀裂
  • 縦・斜め方向に一直線に走る
  • ドアや窓の開閉がしづらい
  • 複数の部屋で同時にひびが出る


基礎の沈下が原因のひび割れを放置すると、亀裂から雨水が侵入して建物の耐久性が大きく低下します。建物の安全性にも関わるため、幅0.3mm以上の亀裂を発見したら早急に専門業者へ相談してください。

ちなみに、地盤沈下が原因でひび割れが発生した場合は、地震保険が適用されないため注意が必要です。

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危険度が高い天井のひびを見極めるポイント

天井のひび割れには、しばらく様子を見ていいものと、すぐに対処すべき危険なものに分かれます。すぐに対処すべきひび割れには、以下のような特徴があります。

  • ひび割れの幅が0.3mm以上ある
  • ひび割れの溝が深い
  • 下地材にもひびが入っている


危険な天井のひび割れを見逃すリスクも避けられるため、ぜひ参考にしてみてください。

ひび割れの幅が0.3mm以上ある

ひび割れの幅が0.3mm以上あるものは、「構造クラック」と呼ばれることがあります。建物内に重大な欠陥がある可能性が高く、雨水の浸入や内部の腐食を招く恐れがあるため注意が必要です。

また、天井のひび割れは大きさだけでなく、「発生場所」や「ひびの状態」も確認します。特に注意すべきひび割れ箇所は以下の通りです。

  • 壁と天井の継ぎ目部分以外の箇所
  • 下地がコンクリートでできている壁
  • 複数の部屋で同時期に発生
  • 縦方向や斜め方向に一直線に走る


これらのひび割れがある場合、単なる温度変化によるひび割れではなく、建物の骨組みそのものに負担がかかっている可能性があります。目視で確認できる亀裂を見つけたら、建物の安全性に関わるため専門業者へ相談してください。

ひび割れの溝が深い

溝の深さや段差がある天井のひび割れは危険です。

表面がわずかにひび割れているだけなら比較的軽い状態ですが、指で触ったときに「凹んでいる」「段差がある」と感じる場合は注意してください。表面のクロスだけでなく、その下の石膏ボードまで亀裂が入っている可能性があるからです。

深いひび割れかどうかを見分ける方法を以下の表にまとめました。

確認方法状態危険度
指で触るはっきりした溝や段差を感じる高い
見た目クロスの奥まで割れている高い
ひびの形幅は細いけど深さがある中〜高い
その他天井が少し下がっている感じがする高い

一見すると細いひび割れでも、触ってみると意外と深い溝になっているケースもあります。この場合、天井を支えている板や梁が変形しているかもしれません。

深いひび割れは、表面だけを直しても根本的な解決にはならないため、早めに専門家に見てもらうと安心です。

下地材にもひびが入っている

天井のクロスが破れて、中の石膏ボードやコンクリートが見えている場合は、かなり危険な状態です。

ひび割れの周りに触ってみて段差や凹凸がある場合、石膏ボードのつなぎ目が動いている可能性が高く、建物の骨組みに負担がかかっています。この状態を放置していると、ひび割れが広がり建物が歪むリスクがあります。

また、地震への抵抗が弱くなっているため、天井の一部が落ちてくる危険性もあるでしょう。下地材にひびが入っていると、場合によっては建物の骨組み自体を補強する必要があります。

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アパート天井のひびの修繕費用と放置リスク

天井のひび割れを見つけたとき、「修繕にいくらかかるのか」と気になるオーナーは多いのではないでしょうか。

ひび割れの修繕費用は、表面だけの軽い症状であれば数万円で済みますが、構造的な問題の場合100万円以上かかることもあります。そして、賃貸アパートのオーナーは民法で修繕義務が定められています。

ここでは、天井のひび割れ修繕にかかる費用相場と、放置した場合に起こるリスクについて詳しく解説します。

天井のひび割れは基本的にオーナー負担

民法第606条によると、「賃貸人は、賃借物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」があると定められています。つまり、オーナーには賃貸物件の修繕義務があるということです。

以下に、天井の修繕費用をオーナーが負担するケースをまとめました。

  • 建物の老朽化や構造上の問題
  • 通常の使い方で自然に起こる劣化
  • 施工ミスや地盤沈下などによる欠陥


天井のひびを修理する際の費用については次の章で詳しく解説します。

天井のひび割れにかかる費用相場

天井のひび割れが軽微なものであれば、クロスを張り替えるだけで対応できます。一方で、建物の構造に関わる深刻なひび割れの場合は、専門的な工事が必要になるため費用も高額になりがちです。

6畳の部屋を修繕する場合の費用相場を以下の表にまとめました。

修繕内容作業の詳細費用の目安(6畳)
軽微なひびの補修パテで埋めて補修する1万〜3万円(1箇所)
クロスの張り替え天井のクロス全体を新しくする6万〜12万円
下地材の交換石膏ボード(天井の板)ごと交換10万〜30万円
構造的な修理雨漏り修理や防水工事10万〜40万円

ひび割れの幅が0.3mm以上で建物の構造に関わる場合は専門的な工事が必要です。構造材の補強工事の費用は20万円〜80万円が目安ですが、ひび割れの原因によっては別の工事も必要になり、金額が積み重なっていくケースもあります。

地盤沈下や建物の骨組みに問題がある場合は、修繕費用が100万円以上と高額な修繕費がかかる可能性があります。

天井のひびを放置した場合に起こること

天井のひび割れを放置していると、高額な修繕費を支払うだけでなく、入居者に被害を与えてしまい賠償責任を負うリスクもあります。

ひび割れを放置することで起こりうるリスクをまとめました。

  • 天井が崩落して入居者がケガする危険性
  • 電気のショートや火災のリスク
  • アパートが地震に弱くなる
  • 天井裏でカビや悪臭が発生する
  • 修繕費用が増加する
  • アパート自体の価値が下がる
  • 居住環境の悪さから空室率が高くなる


早期に対応していれば数万円で済んでいた修繕費が、放置したことで数十万円〜数百万円の大規模工事が必要になるかもしれません。ひび割れを発見したら、軽微なものでも早期に対応することがおすすめです。

天井のひび割れは放置していいものと、構造に関わる危険なものの2種類があります。自分で判断するのが難しいと感じたら、専門家に連絡してみましょう。信頼できる不動産会社であれば、適切なアドバイスをしてくれます。

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2023年2023年5月期_ブランドのイメージ調査(調査1~3)
調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
調査期間:2023年3月14日~2023年5月31日
n数:129(※調査1)、124(※調査2)、136(※調査3)/調査方法:Webアンケート
調査対象者:https://jmro.co.jp/r01446/
備考:本調査は個人のブランドに対するイメージを元にアンケートを実施し集計しております。/本ブランドの利用有無は聴取しておりません。/効果効能等や優位性を保証するものではございません。/競合2位との差は5%以上。