近年、不動産投資への関心が高まる一方で、アパート経営の破産リスクも注目されています。立地選びや資金計画の甘さから経営難に陥るケースは少なくありません。
アパート経営において、破産を招く要因と、それを防ぐための具体的な対策について解説します。
Contents
アパート経営の破産率はどれくらい?
アパート経営をするうえで「どれくらいの割合で破産しているのか」というリスク面は理解しておかなければいけません。
不動産投資で自己破産した方の正確な割合は公開されていませんが、東京商工リサーチが発表する「金融再生開示債権の状況調査」をみると、自己破産率をある程度推測することが可能です。
金融再生法開示債権とは、金融再生法に基づき、金融機関に開示が求められる債権のことです。つまり、延滞債権など回収が難しいとされる不良債券の総称を指します。
その中から自己破産に至る方が出てくることから、不良債権の割合と自己破産率が同じような数値になると考えられています。
2023年3月期決算では、金融再生法開示債権比率は1.27%と公表されています。つまり自己破産率1.27%と推測されることでしょう。
もちろん自己破産率には不動産投資以外の事業も含まれているため、アパート経営の破産率はさらに低いことが推測されます。
アパート経営で破産してしまう原因
ではアパート経営で破産してしまう方はどのようなことが原因なのでしょうか。
さまざまな原因が考えられる中で、ここで代表的な原因を5つ紹介します。
アパートの空室率を下げられなかった
アパート経営は需要がなければ入居者から家賃を得ることができません。
空室が多くなるにつれて、収益が下がり、返済額の方が大きくなると、破産する可能性も高まります。
アパートが空室になる理由はさまざま挙げられます。
- 立地・・・郊外や地方などの需要が低い物件を購入しても、入居者が見つからず家賃が得られません。
- 築年数・・・日本人は新しいものを好むため、老朽化した物件は入居者から選ばれにくくなります。
- 間取り・・・需要に沿った間取りでなければ入居者も見つからないことでしょう。
- 家賃・・・相場より高い家賃に設定すると、入居者から選ばれません。
例えば、大学付近のエリアでは1Kや1LDKなどの間取りの需要が高いです。そこにファミリーのアパートがあっても、需要はほとんどないことでしょう。
一方、同じエリアにある新築と築10年の物件では、家賃がほぼ同額であれば新築を選ぶ方が多いです。もちろん上記の他にもアパートが空室になる理由は多くあります。
アパートは入居者の需要に対し、供給する物件がニーズにあっているのかを見極めないと、空室率が高まり、破産してしまうことでしょう。
高額なローンを組んでしまった
金利が高いローンを組んだり、収益性が低いのにローンの返済割合が大きいなど、高額なローンを組んでしまった場合はアパートの破産率は高まります。
アパート経営の多くは、金融機関からの融資を利用して始めます。毎月ローンの返済が生じますが、それに対しアパートは老朽化することで家賃収益は低下するものです。
2013年に三井住友トラスト基礎研究所が公表した「経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由」によると、築3年目から毎年1%ほどの家賃が下落すると公表しています。

一方、アパート経営に関するローンは、元金と金利の合計が一定額で、毎月支払額が変わらない元利均等返済が一般的です。つまり、家賃は減るのにローン返済額は変わらないということが原因で破産するケースもあります。
また、民間の金融機関などの融資審査が通らないため、金利の高いネット銀行・信販系の金融機関を利用される方もいらっしゃいます。
金利が高いということは月々の返済額も高額になってしまうため、より破産する可能性が高くなります。
買い手が見つからない立地の物件を購入した
アパートの立地が悪く、売りたくても買い手が見つからない物件を購入すると破産する可能性も高くなります。
いくら満室であっても、田舎の物件は将来性を考慮すると買い手の間口は狭くなることでしょう。アパートは、最終的に売却という出口戦略があるのも特徴ですが、買い手側の需要がなければ意味がありません。
特に立地が悪い物件や、空室が目立つ物件、老朽化した物件は買い手が見つかりにくい傾向です。その結果、ローンの返済と固定資産税などの税金だけを支払う負の遺産となり、破産するきっかけにもなるでしょう。
競合物件との差別化に対処できない
アパートは需要がある場所に建築されます。当然ながら新築物件という競合物件が次々に建築されるため、他社との差別化ができないと空室が発生し、破産率も高まります。
一般的な差別化は家賃を下げることですが、それでは収益性が低くなるため、他の方法を検討する必要があります。
ここ数年ではペット可物件やインターネット無料で差別化を図る大家も増えましたが、今では当たり前の設備となりつつあります。
常に市場に合った差別化を考慮し続けなければ、空室が高まり破産する可能性も高まります。
アパート経営の入口を間違える
アパート経営初心者によくある失敗は、入口を間違えて始めてしまうことです。特に多いのは物件の選定能力がなく、不動産会社の話を鵜呑みにして購入してしまうケースです。
不動産会社は物件の仲介ができれば仲介手数料を得ることができるため、できれば物件の売却をしたいと考えています。
買主のことを考慮していない不動産会社は、とにかく売却させようとするのです。初心者の方はプロに任せておけば良いと考える人も多いですが、物件の選定は自身で決めなければいけません。
物件の立地や家賃、需要と供給のマーケティングを自身でしっかり行えなければ、入口を間違えてしまい、収益がでない物件に投資することにもなりかねないでしょう。
アパート経営で破産しないための対処法
アパート経営で破産しないために、事前に行ったほうが良いことを紹介します。
できるだけ立地条件が良い物件を探す
アパートの需要は最も立地が肝心です。
駅近物件や商業施設、大学付近などは需要が高く立地条件も良いため、空室リスクを大幅に軽減でき、破産する可能性を低くすることができます。
もちろん立地の良い物件は価格が高く、売り物件になりにくいという特徴があります。そのため、立地が良いエリアを複数候補として挙げておくと、物件を探しやすくなることでしょう。
マーケティングをしてから物件を探す
各エリアの家賃相場や需要のある間取りなどのマーケティングを行ってから物件を探しましょう。
家賃相場を調べると、購入する物件の家賃が適正なのかを見極めることができます。家賃が高いと、入居者の間口も狭くなるため、相場からかけ離れていないのかをチェックしましょう。
需要のある間取りは、入居者のニーズを調べることで、空室リスクの軽減につながります。
例えば大学付近では単身者向けの間取りで問題ないのか、大手企業の工場などが近隣にある場合、単身赴任者が多いのか、それともファミリー層の間取りの人気があるのかを調査しましょう。
家賃と間取りは入居者が物件を選ぶ際に確認する要素なため、必ずマーケティングしてから物件を選ぶことが大切です。
賃貸物件の実績がある不動産会社を見つける
アパート経営で良いスタートダッシュをするためには、賃貸物件の実績がある不動産会社に相談することが大切です。
悪徳とは言わないものの、仲介手数料ばかりを狙い、買主の立場を考慮しない不動産会社も多く見受けられます。特に売買を専門としている不動産会社は、売ってしまえば終わりという点は否めません。
賃貸物件の管理を行っている不動産会社であれば、購入してもらった物件の管理もその会社が行うことが一般的なため、空室が発生すると入居募集に尽力してもらえるためです。
不動産会社の選定は、アパート経営の入口として肝心なポイントなため、実績と信頼を持ち合わせた会社に相談しましょう。

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2023年2023年5月期_ブランドのイメージ調査(調査1~3)
調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
調査期間:2023年3月14日~2023年5月31日
n数:129(※調査1)、124(※調査2)、136(※調査3)/調査方法:Webアンケート
調査対象者:https://jmro.co.jp/r01446/
備考:本調査は個人のブランドに対するイメージを元にアンケートを実施し集計しております。/本ブランドの利用有無は聴取しておりません。/効果効能等や優位性を保証するものではございません。/競合2位との差は5%以上。