アパートオーナー必見！外壁塗装の費用相場・施工期間・補助金制度を徹底解説

アパート経営において、外壁塗装は見た目を良くするだけの工事ではありません。

適切なタイミングで行うことにより、物件の価値を保つだけでなく、入居者の満足度を高めることも可能です。

アパートのオーナー向けに、外壁塗装にかかる費用相場や施工期間、さらには補助金制度の活用方法まで詳しく解説します。

外壁塗装の重要性を理解し、無駄な費用を抑えながら賢くメンテナンスを行いましょう。

アパート外壁塗装の費用相場

アパートを所有しているオーナー様にとって、外壁塗装は重要なメンテナンスの一つです。なぜなら、建物の資産価値の向上や入居者の満足度アップにも繋がるからです。

では、アパートの外壁塗装を行う際には、どれくらいの費用が発生するのでしょうか。

アパートの階数別の費用相場

外壁塗装の費用は、アパートの階数によって大きく変動します。

一般的に、階数が高くなるほど足場の設置費用や塗装面積が増えるため、費用も高くなっていきます。

アパートの規模や使用する塗料の種類、劣化状況によって変動しますが、2階と3階の費用相場は以下の通りです。

階数	費用相場
2階	120～300万円
3階	150～400万円

上記の費用には、足場設置や養生などの工事費用は含まれていません。工事前には必ず費用の内訳を確認しておきましょう。

使用する塗料別の費用相場

外壁塗装の費用は使用する塗料によっても大きく変動します。

塗料の種類	費用（1㎡あたり）	耐用年数
アクリル系	1,000～1,800円	3～8年
ウレタン系	1,500～2,500円	5～10年
シリコン系	2,300～3,500円	7～15年
フッ素系	3,500～4,800円	12～20年
セラミック系	2,300～4,500円	10～25年
無機系	3,000～5,500円	15～25年

使用する塗料によって耐用年数も異なります。費用の高い塗料ほど、耐用年数が長くなる傾向があるため、機能や塗り替え時期など総合的に判断することが重要です。

アパート外壁塗装にかかる施工期間と工事の流れ

アパートの外壁塗装工事は、建物の規模や天候によって前後しますが、10日〜3週間で完了します。

外壁塗装の工事ではどのような作業が発生するのか詳しく見ていきましょう。

アパートの外壁塗装を行う流れ

アパートの塗装工事は以下の9つの工程が発生します。基本的には、2〜3週間で9つの工程を完了しますが、天候や建物の規模によって前後する可能性があります。

外壁塗装の流れ

1. 足場の設置
2. 高圧洗浄
3. 下地処理
4. 養生
5. 下塗り
6. 中塗り
7. 上塗り
8. 最終検査・手直し
9. 足場撤去

まず、塗装をする前に足場を組むのが一般的です。その後、外壁に付着した汚れや古い塗膜を高圧洗浄で洗い落とし、ひび割れ（クラック）などを補修します。

次に養生といって、窓やドアといった塗料を付着させたくない箇所をビニールシートで覆い保護します。

外壁塗装は、下塗り・中塗り・上塗りと3回行うのが一般的です。理由は、塗料の耐久性や密着性、美観を高めるためです。

まずは、下塗りです。下塗りを行うことで、外壁と塗料の密着性を高めるだけでなく、ひび割れや凹凸を埋めて表面を整えることができます。

次に、中塗りです。上塗りだけではムラが出たり、塗料がはがれやすくなったりするケースがあるため、中塗りを行うことで塗装の強度を高めます。

最後に、仕上げとなる上塗りを行います。外見を整えるだけでなく、紫外線や雨のダメージから外壁を守る役割がある重要な工程です。

塗料が乾いたら塗り残しや不具合がないかの確認を行い、問題がなければ足場を解体して工事完了となります。

アパート外壁塗装の必要性と行わない場合のリスク

アパート経営において、外壁塗装は単なる美観維持だけでなく、資産価値を向上させて、入居者に安全で快適な住環境を提供し続けるために不可欠なメンテナンスです。

耐用年数に応じた定期的な外壁塗装を計画的に行うことで、多くのメリットが得られます。もし、外壁塗装を怠ると深刻なリスクに繋がりかねません。

ここでは、外壁塗装を行った方がいい理由と、怠った場合のリスクをそれぞれ2つずつ紹介します。

外壁塗装を行うべき理由

外壁塗装を行うと以下のメリットがあり、アパートの価値向上が期待できます。

• 外壁の劣化防止
• アパートの外観を美しく保てる

それぞれ詳しく解説します。

外壁の劣化を防ぐことができる

外壁塗装を行うべき理由の1つ目の理由として、「外壁の劣化防止」が挙げられます。

外壁は常に紫外線や雨風、温度変化、排ガスなどに晒されています。外壁塗装は、これらの外的要因から建物を保護する効果があります。

役割	内容
雨水の侵入、紫外線の防止	外壁材の劣化や構造材のダメージを抑制
軽微なひび割れの補修	水の浸入を防ぎ劣化を防止

外壁塗装は外壁の劣化を防ぐためにも重要な要素といえるでしょう。

アパートの外観を美しく保てる

外壁塗装を行うべき2つ目の理由は、「外壁を美しく保てる」ことです。

きれいに塗装された外壁は、アパートの印象を向上させてくれます。その結果、入居希望者の増加が期待できます。

また、周辺物件と比較された際に競争力が生まれ、空室リスクの低減や家賃の維持が可能です。

外壁塗装をすることで物件の外観をきれいに保つことができ、結果として物件の競争力が高められます。

外壁塗装をしない場合のリスク

外壁塗装をしなかった場合、「入居率の低下」と「物件の寿命が短くなる」という2つのリスクが発生します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

入居率の低下につながる

外壁塗装をしない場合、入居率が低下するリスクが生まれます。

理由としては、外壁塗装をしないと色褪せやひび割れなどアパートの見た目が悪くなり、入居希望者から敬遠される可能性が高まるからです。

賃貸物件の空室率が高いエリアの場合は、外壁塗装を怠ると入居希望者が集まりにくくなり、空室や家賃低下の原因となるでしょう。

建物自体の寿命が短くなる

外壁塗装を怠ると、物件の寿命が短くなるリスクもあります。

外壁が劣化すると雨水の侵入やシロアリの発生、ひび割れの拡大が起こり、外壁全体を腐食させる可能性が高まるからです。

最悪の場合、建物の取り壊しと建て替えが発生して何千万円という費用が発生する事態に繋がる可能性すらあります。

建物の寿命を長くし修繕費用を抑えるためにも、定期的に外壁塗装を実施することをおすすめします。

アパート外壁塗装で利用できる補助金制度と費用を抑える方法

アパート1棟の外壁塗装費用は数百万円かかることが多く、決して安い金額とはいえません。

そこで、少しでも費用を抑えるためのコツをご紹介します。

国や自治体の補助金制度を利用する

国の制度や補助金を活用して外壁塗装費用を抑えられる方法があります。

具体的には、以下の条件を満たす場合は補助金が支給される可能性があります。

• 住宅セーフティネット制度への登録
• 外壁塗装を含む改修工事で要件を満たしていること
• 耐震性の確保
• 原則として25㎡以上の床面積があること
• 家賃の適正性

住宅セーフティネット制度は登録基準を満たす必要があり、具体的には耐震性の確保や適切な施工業者の選定が必要です。

その他にも、東京都葛飾区の《集合住宅用》かつしかエコ助成金では、区に納税をして特定の塗料を活用することで、最大100万円の補助金を受けることができます。

国や自治体の制度や補助金が適用される条件を把握して活用することで、工事費用を抑えることができます。

使用する塗料のグレードを下げる

塗料のグレードを下げることで、外壁塗装の費用を抑えることができます。

ただし、安価な塗料は耐用年数が短い傾向にあるため、メンテナンスの頻度が増える可能性があります。その結果、長期的に見ると修繕費用が増えることになります。

また、塗料によっては耐熱性や防水性に優れたものもあるため、アパートの省エネ性を高めることも可能です。

アパートの外壁塗装で使用する塗料は、初期費用だけでなくメンテナンス頻度や効果など総合的に考慮して決定しましょう。

複数の業者から相見積もりをとる

外壁塗装を依頼する際は、複数の業者から相見積もりをとると費用を抑えられるでしょう。

相見積もりとは、複数の業者に見積もりを出してもらい、費用や工事内容を比較して依頼する業者を検討することです。

3社ほどから見積もりを取り、少しでも安い業者に依頼することで費用を抑えられます。

ただし、工事費用が相場よりも安すぎる業者は、追加で費用を請求したり工事が手抜きだったりすることがあります。

見積もりを比較するだけでなく、この記事で紹介した費用相場と照らし合わせることで、信頼できる業者に依頼できるでしょう。

費用対効果が薄い場合は売却を検討する

アパートの老朽化が進み、外壁塗装やその他の修繕費用が高額になる場合は、物件の売却も一つの選択肢です。

• 築年数が古く大規模な修繕が必要
• エリアの賃貸需要が低下している
• 固定資産税や管理費など費用負担が大きい

上記に該当している場合、外壁塗装を行っても入居率が高まらなかったり、家賃アップが期待できなかったりと、費用の回収がしづらいため注意が必要です。

数カ月分の収支バランスを見て、アパートを売却することも検討するとよいでしょう。